アロワナ物語 2


「銀ちゃん」の野生をみる!

 私たちからみると銀ちゃんは、グッピーにいいようにおちょくられているようです。ときどきは襲いかかろうとするそぶりも見られますが、すぐにグッピーに察知されて十分な間合いを取られてしまいます。
このままでは、餓死させてしまうかもしれないと思って、浮上性の人工飼料(カーニバル)を買ってきて一口サイズにしてやることにしました。
 しかし、これらの心配も亡くなる日が来ました。餌を十分に確保できているようには思えないのだけれど、アロワナは元気にすくすくと育っているのです。そして、心持ち小さなグッピーの数が減っているように思えるようになりました。これは油断しているグッピーを食べることができるようになったのだろうと、少し安心したものです。
 しかしその後、いつ観察してもグッピーをうまくとらえているところを見ることはできません。おそらく、夜、グッピーがほとんど動かないときに襲っているのだろうと考えられます。これで最初の予定通り、グッピー数の調整役として働いてくれるかも.....?

「銀ちゃん」食べる! 食べる!

 しかし、その安心も長くは続きませんでした。その数日後、水槽をよく見るとグッピーの子どもは、一匹もいなくなっていたのです。かなりの数の親が元気よく泳いでいますが、このままほっておくわけにいきません。
考えた末、水槽をもう一つセットして分けて飼育することにしました。水槽は、昔のステン枠のもので、パテはひび割れているので、修繕し、上部濾過式ポンプも過去のがらくたを組み合わせて、何とかセットしました。その間にもグッピーは小さいものから減り続け、あれほど多かったのがなんと二〇匹くらいになってしまいました。このことについて詳しく知りたい方はグッピー物語を見て下さい。

 こうして、新しくセットした水槽で、ポリプテロスとサッカープレコとともに、銀ちゃんの新しい生活が始まったのでした。

 
 古代肉食魚の成長は一般的に早いといわれます。グッピーの増加を越えた食欲を満足させるためにはアロワナ用のペレットの餌をやるようになりました。
 最初のうちは、ペレットを折ってやっていましたが、数ヶ月もするとペレット一個でも足らなくなり、時々は生き餌も与えたいので、餌の確保に悩むようになりました。河口に集まる1cmほどのアジなどの幼魚をすくってきてやったりもしました。遠慮なくバコバコ食べて、どんどん銀ちゃんは大きくなり、体調が25cmほどになると、さすがに60cm水槽では窮屈になってきました。