三崎町の自然

 三崎地域は四国の最西端にあたり日本一細長い半島にあります。瀬戸内海に突き出た山また山の長い半島は人為的な開発がしにくく、海の資源はもちろん独特な植生も見られ、自然に関するいろんな発見が期待できます。
 主な産業も農業と漁業でありその自然に大きく依存しています。水が汚いとされる瀬戸内海にあって、海の真ん中に突き出たような半島の先端である本町の海はきれいであるばかりか、佐賀関との間にサバやアジ、タイやタチウオ、フグやブリの良い漁場があります。このため他地域とは違って網を使って魚を捕ることは少なく、一本釣りが漁師の誇りともなっています。
 サザエやウニ、テングサやワカメやヒジキなどの海産物にも恵まれ、今は少なくなったがアワビやイセエビ等も捕れます。名勝といわれる岩場も多く、佐田岬灯台も含めてそれを観に来る観光客や釣り客が多くあつまる観光資源にもなっています。

 平成8年に観た資料では、三崎町は愛媛県の市町村の中で最も自然林の割合が多い町でした。実際ほとんどの山には天然の広葉樹林が広がり、町の木であるウバメガシの林も当たり前のようにどこでも見られます。また、この半島は渡り鳥の通り道でもあり、さまざまな小鳥だけでなく特に猛禽類については日本を代表するバードウォッチングの名所ともなっています。それらの鳥が運ぶ種によって多様な樹木が茂り色づきます。
 しかし、数十年前までは耕して天に至るほどの段々畑があり、今とはかなり違った様相を呈していたと思われます。高度成長の時代、次々と生産効率の低い半島の農地を放棄していき急速に森林化が進んだため、自然林といっても樹間が狭く樹幹も細いものが多くなっています。したがって森林が成熟し、安定した循環をする生態系ができあがるまでにはかなりの年月が必要で、これからもこの半島の自然は大きく変化していくと思われます。
 さて、このHPでは三崎町の自然について紹介していきますが、まずは文化財の対象と考えられている自然を中心に公開していきます。


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