屋台物を賞味

 仕方ないので、食堂はあきらめて気になった屋台物を買ってきてホテルで食べようと思った。そこで、光復路の屋台街にとって返し、まだ食べたことのないものを探す。まずは、一番気になっていたポンテギである。そしてソラ、これらは今回行った観光地でやたら目にしたので、おやつ的な食べ物だろう。釜山では両方とも屋台はそんなになかったが、それでも探せばある。どちらも紙コップに一杯2千w?ってとこだ。釜山の屋台は日本語が通じるか、日本人が困るポイントを知っていることが多い。ソラは、どうやって食べるのかを聞くと、貝の口を口にあててちゅっと吸って見せた。これで、この貝の先が砕かれている理由が分かった。酒の肴にはなるだろうが、でもやはりこのポンテギには不安..。
 そして腹の足しになる物が必要だ。まず目がいったのは、良い香りをさせているトウモロコシ。私は大のトウモロコシ好きである。韓国のトウモロコシは白くて、江原道でも大きな釜でゆがいているのを何度か見て、一度食べたかったのである。淡い色のトウモロコシは、とても甘そうで、ちょっと焼き色を付けて売っている。たくさん買いたかったが、我慢してとりあえず二つ購入した。たくさん買わなかったことが、後でよかったことが分かるのだが...。
 次は、確実なところでマンドゥ(餃子)だ。マンドゥは、日本の餃子風のとシュウマイ風のものがあるが、日本のものよりは二まわりほど大きい。一つの店で両方とも売っていて、餃子形を二つほどもらおうかとも思ったが、シュウマイ風と8つ?のセットだそうで、結構ボリュームがある。もっといろいろ買って帰りたかったが、特に気を引く物もなかったのと、結構な量になったので、酒を買うことにした。コンビニはほとんどないので、酒はよろず屋で買うことになる。繁華街の隅にたまにあるのだが、結構にぎわっている。マッコルリ(カタカナでマッコリと書いてある1.2リットルの白いペットボトル)を購入した。そして、ホテルに帰ることにした。
 ホテルのすぐ前の通りにも屋台はあって、揚げ物のお菓子のような物が売られていた。私はその屋台の後ろの店でさらにビールを買う。店を出ようとすると、いきなり「あげパンじゃないの!..」と久しぶりに聞く日本のおばちゃんの声。そして屋台に集まってきたが、連れの男はちょっと迷惑そう。
 ホテルの部屋に戻ると、買ってきた物を並べて、結構明るくして写真に撮るが、残念ながら帰って現像してみると真っ暗である。やはりこういうことも考えてストロボ付きにしておけばよかった..。まず一口ずつ食べてみて、かなりがっかりした。ポンテギはまあ仕方ない。だいたい予想通りである。昔、養蚕室でかいだ匂いそのものの蚕のさなぎで、これも昔よく捕って食べた蜂の子のようないかにも昆虫らしい味。結局20ほど食べたが、そのにおいがどうしてもいやで、20ほど食べてパス。
 最もがっかりしたのはトウモロコシである。私はまず一列をもいで食べ、それから一気にかぶりつく。もいだ粒が堅いのに気づくと嫌な予感がしたが、いくつか口に放り込む。堅くてよくかんでもほとんど甘みがない。えっと思って、もう一つのトウモロコシも食べてみた。同じである。よく考えると昔食べたトウモロコシはこんな感じだった..かも。でも、それは焼くトウモロコシで、ゆがくトウモロコシはもう少し...甘かった。私が単純にスウィートコーンに慣れてしまったってことかもしれない。
 次にマンドゥだ。餃子型の餃子は皮も厚くてかたく、噛んでもパサパサで、身は少々なのでこれがまずい。楊口で食べたマンドゥとはえらい違いだ。そして、でかいだけに食べるのも大変。ただシュウマイ型はまあまあの味で、何とか食べられる。そして、ソラだ。これは、私が食べ慣れたニナと同じ塩味だ。身はちょっと少ないが、楊枝でほじくり出す手間がいらないので、むしろ食べやすい。結局このソラを吸いながら、酒盛りして韓国最後の夜は過ごしたのだった。

   2002' 8/28