東門市場へ

 竜淵橋を渡ると西沙路の大きな交差点に出る。交差点の向こうに伝統的な建物が見えるので、行ってみると「城隍堂」の門址があった。そこからしばらく東に歩き、小さな路地を北に向かい塔洞路に出る。塔洞路はメインの海岸道路なので、ホテルや食堂がずらりと並んでいる。韓国では珍しいスーパー系デパートのEマートも見える。昼飯も考えたが、どうも観光客相手の高級海鮮レストランのようなところばかりなので我慢する。そのまままっすぐ塔洞路を歩き、港に向かう。
 午後三時頃港に着く。漁港の入り口には交番があり、港には強力な照明を数十個ぶら下げたイカ漁船がずらりと並んでいる。かたわらに魚の開きが干してあったりして、生活感のあふれるいい雰囲気である。漁協直営の販売所があったので入ってみると、銀白色に輝く太刀魚が所狭しと並んでいる。中を歩いて回ると、様々な声がかかるが、もちろん対応はできない。
 そのまま東に少し歩くと、海洋号という名の昔の帆船をかたどった展示館のようなものがある。どうも中国関係のものらしい。山地路に出ると、交差点を渡り、山地沿いに東門に向かう。対岸には旅館がたくさん建ち並んでいる。バスターミナルと東門市場の間くらいのところの旅館を考えていたのであるが、いざとなればこの辺に宿泊すればいい。雪が激しく降ってきたので、東門市場に急ぐ。
 済州島一の規模といわれる東門市場は、すぐに分かった。韓国の市場はどこもごみごみしているが、まさに何でもあって、その土地々の特産物や生活の特徴が顕著に現れている。
 キムチや薬念、唐辛子や乾物の類はこれでもかと思うくらい山盛りに入れたボールや桶が店頭にずらりと並ぶ光景は壮観である。トック(餅)や豆類や穀物もいろんなものがあるのに驚かされる。豆腐なんかは、日本と同じようなものである。
 やはり済州は海産物とミカンの島だけにその出店も多い。海産物は、水槽がずらりと並び、その場でさばいてくれるようだ。アジ?もその場で開いて干して売っている。ただその場で食べるカウンター付きの店はないようだ。腹も減っていたが、おやつみたいなものしか市場にはない。ミカンは多くが温州ミカンである。また、デコポンのようなミカンが丁寧に包装されて売られており、これがどうもこの島の特産高級柑橘であるらしい。1個買って食べてみたかったが、一箱単位の贈答品って感じなので買えなかった。
 東門市場をぬけると、永楽教会の前を通り、済州医療院を西に向かい、西沙路を横断して、南星路に向かう。午後4時前、南星路の手前で、「ハンラサンホテル」を字を見つける。見かけもそんなに高そうなホテルでもないようだし、明日の登山には名前が幸先がいいので、このホテルに泊まることにする。
  H14.12.26-5