シルバーアロワナとは?

 ここは、シルバー・アロワナをよく知らない人のための説明のページです。

なお、このページで使われている写真は、ビージーズ「AROWANA」のものです。

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原産地:南米アマゾン川

体長 :1mにまで成長

水温 :26〜30度

水質 :弱酸性から中性

飼育・繁殖:飼育は容易だが、繁殖は困難

特 徴
 シルバーアロアナは、独特の髭を突き出した大きな口にギョロッとした眼、銀色の美しい大きい鱗のある細長い体でダイナミックに泳ぐ姿から、エキゾチックな雰囲気にあふれている鑑賞魚です。
 大きな口で小魚や昆虫を丸飲みにする豪快さをもつ反面、人間にもよく慣れ、おとなしいので、他の大きな魚との混泳もできて飼育しやすい大型魚です。エサも生きた小魚やコオロギなどを好みますが、口に入るサイズの生肉、ジャミ、刺身、ゴキブリまでも食べます。だから、エサにも困ることはあまりありません。自然の中では水面からジャンプして昆虫などを捕らえて食べているそうです。
 現地では、食材となる魚だそうで、市場にたくさん並んでいるそうです。本校のすぐ近くの海ではタチウオがよくとれるので、このよく似た魚を見て、「おいしそう」という声を発する生徒もいます。

シルバーアロワナの成長

 アロワナは産卵すると、すぐにオスがその卵を大きな口の中に入れるそうです。数日で孵化しますが、しばらくは体の下にある写真のようなヨ−クサック(卵黄)の栄養で育ちます。
 売られている小さいアロワナは、無理矢理親の口から出されて出荷されたものだそうです。
シルバーアロワナは、幼魚が大量に輸入されているんので、価格的にも求めやすい熱帯魚です。本校のシルバーアロアナも平成8年夏にわずか5〜6cmの稚魚として購入したものです。幼魚には赤虫やメダカ、成魚には金魚やコオロギなどの生き餌を与えるのがよいとされていますが、しつければ市販のクリルやペレットなどの人工餌も喜んで食べます。
 本校では手に入る生き餌(ゼンゴ:アジの子やエサ金、虫)のほかクリル、刺身の食べ残しなどいろいろやっておりますが、しつけが良かったので(量が少ないので?)喜んで食べています。
 アロワナのような大型古代肉食魚の成長は早く、すぐに小さな水槽では育てられなくなるので、それ相応の覚悟を持って購入しなければならないと思います。本校では今の120cm水槽以上の水槽は買う予定はなく、少し窮屈ですが、あまり大きくしないように飼うしかありません。

アロワナ飼育の歴史

 中国には紀元前の昔から魚の飼育・鑑賞の歴史があります。鯉や金魚は中国で愛され、長い年月の間に鑑賞種がつくられてきてきています。日本人は、中国の文化を手本としていたため、この観賞魚飼育の文化も受け継ぎ、さらに日本独自の金魚や錦鯉鑑賞の文化が育ち、今では日本人の隅々に浸透しています。
 魚の飼育が中国で盛んなのは、魚=富と考えられ、魚を飼育することは財産を富ますことにつながるとされてきたからです。また、「風水」でも、水のあるところに気が集まり、財を招き入れるということもその理由に一つだと考えられています。さらに現代では、加熱装置の進歩もあいまって熱帯の魚が飼えるようになったので、様々な魚飼育が盛になりました。

 さて、そのような観賞魚の中でもアロアナ(龍魚)の飼育は、台湾を中心に絶大な人気を誇っています。しかし、その歴史は以外と浅いのです。
 1975年頃、南米から送られてきたシルバーアロアナは衝撃的なデビュー(銀龍)をしたそうです。鋭い刃物のような色と体型をし、一対のひげと尊厳のある顔立ちや立派なうろこを持ち、悠々と泳ぐその姿は龍のようであり、風水魚を重んじる愛魚家に邪を追いやる魚としてもてはやされ、1尾50万円以上で売買されたといいます。
 東南アジアにもアロワナがいましたが、気性が荒く飼いにくいので人気のなかったそうです。その後、このアジアアロワナ(右下の写真一番下:紅龍、金竜など)が、成長とともに赤や金のすばらしい発色をすることがわかると、台湾を中心とした飼育家はアジアアロアナの飼育に移っていったそうです。
 そして、そのうち乱獲が進みます。結局、アジアアロアナは絶滅のおそれのある野生動物としてワシントン条約で保護対象魚となり、1987年には日本への輸入も禁止されました。現在では養殖によって増えたマイクロチップが埋め込まれたアジアアロアナに限り、輸入ができるようになり、登録をして飼うことができるようになりました。ということでアジアアロワナは、きわめて高価な熱帯魚となっています。

 それに対してシルバーアロアナは、進歩した航空輸送のおかげで、安定して野生のものが輸入されるため安価で稚魚が輸入されています。アマゾンの豊かな自然の中ではかなりの数のアロワナが生きているわけです。
 アロワナの仲間はまだ数種あります。写真のブラックアロワナも、南米産のアロワナです。幼魚のとき黒字に黄色の縦縞のある姿から命名されたアロアナで、成長するとシルバーアロワナとよく似ています。微妙に体の色が違い、ヒレに黒色が残り、60cmくらいにしか成長しないので、将来の大水槽への心配は少ないようです。しかし、アロワナの中で最も神経質で弱い種なので飼育には注意が必要であるとされています。南米アマゾン川の魚なので輸入も安定していますが、かなりの数が店頭に並ぶまでに死んでいるといわれています。
 他にも、オーストラリア大陸にすむノーザンバラムンディ(写真中)など他のアロワナも輸入されるようになっていますが、でかくなることを考えなければ飼いやすいのはやはりシルバーアロワナです。
 これらのアロワナの仲間は、中生代の化石からも発見されますので、原始的な魚の特徴を持っている科学的にも貴重な魚でもあります。野生の魚を狭い水槽に閉じこめて飼うことへの後ろめたさもありますが、この魚は生徒にとっていろんな意味で生き物を知るための教材になると信じています。長生きをする魚なので、大切に世話していきたいと思います。