全州から鎮安へ 

 13時15分、巨大な全州のバスターミナルに着いた。とはいってもターミナルの端でおろされたので、ぐるりと回り込んで、ターミナルの中に入る。せっかくの全州なのでビビンバを食べていきたいところだが、おなかはいっぱいだ。売店で800wのバナナ牛乳を買い、いくつかある売り場から写真の鎮安行きのバスチケットの売り場を教えてもらい、2900wでチケットを購入した。構内も広いが、人に聞きまくって乗り場にすんなり行くことができた。
 13時30分全州発。市街を抜けると、田園地帯となる。そのうち丘陵地帯となり、その間をぬって広い国道をバスは走る。特徴のない丘陵に退屈した頃、その上になにやら岩峰が見えてきた。左の写真のように先端が耳のように見えることから、どうもこの山が目指す馬耳山らしい。地図から考えると向こうにちょこんと見えているのが男馬耳山、手前側に大きく見えるのが女馬耳山のようだ。道標も鎮安が近いことを示している。この山については、韓国二百名山を韓国人大学生に訳してもらった資料があるので心強い。
 やがてバスは幹線道路をはずれて、小さな街に入っていく。どうもここが鎮安のようだ。バスターミナルも市内のわかりやすい位置にある。14時20分鎮安着。まずは宿を探そう。ターミナルの周辺には小さな宿が一つある。ターミナルから正面の道を行くと堤防に出た。この川は錦江の支流で、流れは北上して大田へ向かっている。そのあたりからぐるっと見渡して見る。すぐに河畔に立つ温泉マークのビルを見つけ、堤防を上流に向かう。堤防の下は市場になっていているようだが、やたら犬の声がうるさい。よく見ると鳥などに混じって、写真のように多くの赤犬が檻に入れられて売られている。これまで市場で見た食用犬は、隠れるように売られているようだったが、ここではそうではないようだ。
 たどり着いたビル(写真)には馬耳荘と書いてあるので、今日の宿はここだと決めて入る。入口がわかりにくかったが、駐車場の横から入り、階段を上ると、二階にフロント窓があり、声をかける。人の気配はなかったが、大きな声で呼ぶとアジュマが出てきた。部屋は「オンドル」か「・・・・」かと聞いてきた。オンドルは今必要ではないではないかと、思って断ったが、よく考えるとベッドかどうかということらしい。3万wを支払い、309号のキーを受け取って、部屋に向かう。バスはなかったがきれいで快適な部屋である。汗をすった今まで着た服を水洗いし、シャワーを浴びる。予定では馬耳山登山は明日としていたが、天気もよいし中途半端な時間なので、今日行ってしまおうかと準備をする。
 馬耳山行きのバスの時間は、写真のように黒板に書かれている。ほとんどは馬耳山の北登山口行きだが、日に4本、南登山口の塔寺へ行くバスがあるようだ。15時20分にターミナルについて、馬耳山行きの切符を買っているときにバスが出てしまった。今度は16時だというので、街を散策することにした。旅館から見えていた対岸の銭湯に行ってみる。しかし今は営業していないようだった。どうもこちらの方が人家が多いようだ。街角ではエアガンを撃ち合っている少年たちがいる。ふと見ると、多くの家に国旗が掲揚されている。そういえば今日は光復祭であった。といっても、それを意識させるようなことは、この旗くらいであった。
 16時3分にバスは出発する。700Wのチケットは左の写真のようになかなか味がある。韓国らしい人参のデザインは、この地が朝鮮人参のメッカ、錦山の近くであるためだろうか。バスが街を出ると、すぐに馬耳山が見えてきた。コスモス畑を抜け、馬耳山の麓の観光団地の大きな駐車場に着いのは16時10分であった。

   2003 08/15