金海空港から晋州へ

 14時45分金海空港へタラップにて降り立つ。機はターミナルから2〜300m離れてぽつんと停まっているのである。タラップを降りるとすぐ前で待つバスに乗り込みターミナル前で降りる。どうせ荷物待ちするのだからと、ゆっくり出入国カードを書き、列がほとんどなくなってから入国する。荷物はすでに回っている。5万円を482500ウォンに換金し、区分けして入れた。
まず、最初の目的である智異山に近づくということで、今日は城下町である晋州まで行ければよいと計画していた。しかし空港から晋州行きのバスはあるのだろうか。さっそく観光案内所に行って聞いてみる。直通便はないようで、いったん釜山に行ってそこから地下鉄に乗って・・・と説明しだした。しかし、わざわざ逆方向に行くのも無駄が多いので、少しでも西方向の都市に向かいそこから晋州へ向かおうと考えた。そこで、馬山行きのバスはあるかと尋ねたら、2番のりばで乗れるとのことである。
 15時20分、空港の外に出て2番乗り場で10分ほど待っていると、馬山行きのバスがきた。一応「馬山カヨ?」と確認してから乗る。客はすでにたくさん乗っていたが、次に向かった国内線ターミナルで私を残して、すべてが降りてしまった。それと入れ替えに職員が乗り込んできて、韓国人でないのがわかると、英語で5千Wを請求した。韓国語の方がわかりやすいので「オチョノニエヨ?」と言ってお金を渡した。
 このバスには入口のところに写真のように公衆電話もついている。運転手はラジオでトロットの番組を流して走る。3時46分、高速道路に乗り、西に向かって走る。窓の外は、ほとんど日本の地方都市郊外の田園風景である。ただ、ツバメが群れになって飛び回っている。
 4時19分、昌原市バスターミナルに着く。ここで降りて、晋州行きバスに乗り換えれば、もっと効率的に晋州に行けるのかもしれない。昌原市は、「故郷の春」で歌われる、花の咲き乱れるのどかな風景のイメージであったのだが、見る限りきれいに都市整備されており、歌詞のように「子供の頃遊んだ思い出の故郷」って雰囲気ではない。
 4時40分、馬山駅前着。運転手がここで降りるようにいうが、明らかにKR駅前である。バスターミナル?を問うがここであるというのである。仕方なく降りてみると、確かに空港バスのターミナルのようではある。さて、馬山については情報がないのだが、晋州行きのある市外バスターミナルへはどういけばよいのか。確認はしなかったが、国鉄では通じてはいるが、かなり便が少ないので期待できない。すると、中年の男が近づいてきて、私にいろいろと問いかけてきた。市外バスターミナルへ行きたいことを伝えると、こちらにこいと言う。実は彼はタクシーの運転手だったのだ。
 市外バスターミナル(右写真)には、すぐについた。1500Wを渡し、ターミナルに入って、3900Wの晋州行チケットを購入した。チケット売り場のアガシに乗り場を聞くと、うさんくさそうに乗り場を指さした。そちらに行くと、すでにバスが入っていて、すぐに乗り込む。バスの運転手に行き先を確認すると、素っ気ない返事で乗るように指示し、座るとすぐにバスは出発した。うわさ通り慶尚道の人は愛想が悪い。
 バスは北進して高速に乗ると、山間を走る。山はほとんど手を入れていない雑木で、松が目立つ。そのうち、高層アパートが異様な光景で目立ってくると街が近づいているということだ。やがてバスは高速を降り、南からぐるりと回り込むように北上し、晋州の街に入る。駅への道標が見えてからしばらく走ると、晋州橋を渡り、右に折れるとすぐに晋州バスターミナルに着いたのは、17時40分であった。

   2003 08/13