江陵出発
5:30頃、起床。空は晴れている。
出発のための片づけをして、昨日買っておいたバナナ牛乳を2本一気飲みする。昨日の晩、寝酒に少し飲んだマッコルリ(なぜかカタカナでマッコリと書いてある。日本向けにも作っているんだなと思ったが、日本ではどこを探してもそのマッコルリはなかった)をバナナ牛乳の容器に入れ、荷造りする。
6:30出発 フロントには誰もいず、呼んでも声もないので、キーを置いて出る。結局「親身に世話を焼くアジュマ」には会うこともできなかった。タクシーも呼んでもらおうかとも思っていたのだが、無理なようなので、駅に行ってタクシーを拾ってバスターミナルに向かうことにする。ところが駅には、タクシーの姿がない。バスさえきていない、オイオイ...。まあ、とりあえず駅の写真を撮って、どうしようかと思ってうろうろしていると、たまたまタクシーが来たので、それに乗ってバスターミナルに向かう。1800wであった。
そろそろ時間は朝の出勤時だと思うが、ターミナルは混んではいない。切符売り場の釜山行きと書いた窓口は閉まっていたので、端の窓口で切符を買う。1時間おきにバスはあるので、あえて昨日は買わなかったが、始発のバスの切符が買えた。25500wである。バスは乗り場に出て左の端の方、釜山のハングルはすぐに見つかった。一応、運転手に確認して乗り込んだ。運転手は少し日本語を話せるようだ。
7:20定刻通り、江陵を出発。高速バスというくらいだから、嶺東高速道路に乗って、原州から中央高速で釜山へ行くのかと思っていたが、5号東海高速で東海へ向かい国道7号線沿いに南下するようである。8:00、東海IC着、国道に降りてからも、広いほとんど信号のない道が延々と続いている。バスの速度も落ちず、ほとんど高速道路みたいなものだ。山はほとんど松林、それもアカマツばかりだ。高さのそろった若木が多いのは、日本への松茸ブームの影響だろうか。
9:10道境のドライブイン着。運転手が9:30(・・・サンシップン・・・)まで休憩をとるといって降りていった。私も降りてみた。カメラのフィルムがほとんどなくなったので、カメラでも買おうと思ったのだ。ここは日本のドライブインとよく似ていて、大きな観光地図のパネルのあるだだっ広い駐車場と平屋の大きな建物の中に食堂と売店がある。平日だからか、ほとんど客はない。トイレに行って、売店で聞くとカメラはないそうだ。ふと食堂を見ると、運転手は朝食をかき込んでいる。駐車場に出て、行き先の県境の方を見ると、物々しい雰囲気である。なんとそこには検問がある。とはいっても江原道の北部から来た私には検問も慣れっこになっているが...。ただ違うのは、ここの検問は軍ではなく警察が行っている点だ。DMZから遠く離れてきたということか。
道路は広く、トンネルはほとんどない。途中で、とんでもなく広い道路(幅100m?)になった時もある。韓国では主要道路は必要に応じて、軍用空港に転用できるようになっているとも聞いたが、それなのだろうか。そういえば格納庫のようなものもある。
10:20、有金寺(ユグムサ)前を通過。江原道では、ほとんど民家は、実用的な現代的なものであったが、この辺からは車窓から屋根がゆったりとしたカーブを描いているいわゆる伝統的な家屋が見られる。頭上に荷物を載せて運ぶアジュモニもいて、ここは日本とはちがうんだんあと感じる。道路は広く、バス停以外の路側にほとんど人影を見ることはない。ボーと景色を眺めていると、バスがスピードをゆるめた。前を見ると、道路の真ん中におばあちゃんが座り込んでいるではないか。儒教の国、韓国では老人は大切にされるらしい。どういう事情で座り込んでいるのかは分からないが、日本のように怒鳴られることはないようだ。11:10、宝鏡寺ドライブインでトイレ休憩する。ここにもフラッシュなしのカメラはない。
2002' 8/28