く ど き      二名津

さあさ会場の皆様方よ ヨイ         又も出ましたいつもの野郎が ヨホ

おじゃまかくごで我身も知らず ヨイ    音頭とるとはおおそれながら ヨホ

年に一度の大運動会             みんながそろておどろじゃないか

ふしやもんくのちがいはあれど ヨイ    平にごよしお願いします
 

そこで三つのたのみがござる ヨイ     一つたのみます太この方よ ヨホイ

二つたのみますはやしの方よ ヨイ     三つたのみますおどりの方よ ヨホイ

さあさそろたぞ音頭がそろた ヨホイ    手びよし足びよし太このひよし

伊予の瀬戸内二名津みなと ヨイ      波もしずかで人情もあつい
 

ああ、ちょいとでました三角野郎が     高い所で失礼ながら

音頭とるとはおおそれながら        いきなハイカラさんとと酒くむ様に

そんなわけには参らぬけれど        山下、阿部の両家様の

うたけえんにて一言おさめ         かなや文くのちがいはあれど

平にその儀はおゆるしめされ        許るしめされて文句にかかるが オーイサネ
 

ああ、うれしめでたいこのさかずきに    中にこがねのうずまき出来て

だんなの大黒かみさんえびす        出来るややちゃん福神様で

山下、阿部御両家にや           まんごまつだいはんじょなされ

めでためでたのお祝いつづき        鶴と亀とが黄金だすきで オーイネサ
 

ああ、聞いておくれよのろけじゃないが  逢った初めの一目でほれで

思いこんだるわたしの心          ひるはまぼろし夜は夜で夢に

みると言うてもさめれば他人        一生他人にならないように

早いところで都合をつけて         そわせ給えよ出雲の神様 オーイサネ


  出典:二名津中学校「郷土の昔話」・・・平成2年度 西谷常義(二名津)伝,編集:くみ(5308)