善兵衛さん

善兵衛さんの話は祖父と祖母から聞きました。
善兵衛さんと言う人は松の人で、とても頭が良かったそうです。
ある日、店で善兵衛さんはバナナを買っていました。
何を思ったか皮をむきはじめ、そして店の人にはかりにかけてくれと言いました。店の人はそれは困ると言いましたが、善兵衛さんは、それなら私も困ると言いました。なぜなら皮の目方の分ほど値が高くなるからです。善兵衛さんはそういう理屈で値をまけさせたそうです。
善兵衛さんは今はもう亡くなっていますが、お年寄りの間では知っている人が多くいるそうです。


  出典:二名津中学校「郷土の昔話」・・・平成2年度 加藤平治郎(松79歳) 加藤ヤエ子(松73歳)伝
               編集:ごち(5402)