佐田岬灯台

 四国の最西端佐田岬の先端にあるのが佐田岬灯台です。変成岩の岸壁に速吸(はやすい)瀬戸の激しい潮流がぶつかる絶景が続く海岸線と、ウバメガシなどの常緑樹が強い風で曲がりくねり生えている緑のコントラストが美しく、三崎町の大切な観光資源でもあります。灯台のある岸壁や隣の大島の岸壁には旧陸軍の砲台跡があり、日本の防衛上の要所であった戦時中の面影を残しています。灯台から豊予海峡を望むと、遠くに佐賀関の大煙突が確認できます。また、国東半島の山々も望まれます。日本で最初の国立公園である瀬戸内海国立公園に属しており、その環境保護にも取り組みたいものです。

梶谷鼻・童子碆

 名取の西にある梶谷鼻から小梶谷鼻、長浜を経て童子碆に至る海岸線は、太平洋の荒波に洗われる景観美の優れた自然を満喫できる自然を持っています。

 昔は近くに大理石の採石場があったようにこの辺りには、この白い石灰岩をふくむものが多く、名取石とも言われています。
 釣りの絶好のポイントだけにこの岬へは、ウバメガシの林の中をわかりやすい道が下っています。梶谷鼻の基部の岩は変成を受けた石灰岩が多く、白く輝いています。大潮の日にだけ渡ることのできるという写真の大きな窓の開いた奇岩や、大碆(千枚敷、亀岩とも言われる)岩場を見下ろしながら下りていくと、数十mの緑泥変岩の塔が目の前にそびえ立ちます。これが梶谷鼻で、少し岩登りの心得がある人には直登することもできますが、岩がもろいのであまりおすすめできません。
付近には大碆以外にも多くの島状の岩場があって、渡船によって運ばれた釣り師がいつ行っても何人か陣取っています。


 梶谷鼻から西には、右の写真のような梶谷鼻とよく似た岬が突き出しており、小梶谷鼻といいます。地元では「ひきさき」と呼ぶ人が多いようです。この辺りにも宇和島藩政の頃には集落があったそうですが、今は一面の柑橘畑です。

 その向こうに長く伸びる砂浜を長浜といいます。宇和海の強い波が押し寄せる広い砂浜で、シャワーなどの施設はないが、昔から子ども達はここで海水浴を楽しんでいました。
 ここは幹線道路からはずれていて、人工の施設も少ないため、海も砂浜もきれいな貴重な砂浜です。しかし、地元の人に聞くと、昔はウミガメが産卵に来ていたということですから、やはり環境の悪化はここにも忍び寄っているのでしょう。防波堤やテトラポットなどが、ここではいとも簡単に砕かれており、台風などが来たときのこの海岸の波は想像を絶する厳しいものなのだろうと想像できます。

左の写真の童子碆は、この海岸線の最西端の岩場です。梶谷鼻ほどの個性的な岩こそありませんが、宇和海の荒波がまともにぶつかる場所だけに、岩と波の美しさを満喫できる優れた観光スポットです。さらこの海岸線をたどると童子碆の北に白浜という美しい浜があると聞いていますが、道が不明瞭なため見つけにくいとのことです。
 平成10年にその反対側の三崎湾内に、ムーンビーチという海水浴施設や便所、キャンプ場のある半人工の砂浜海岸が整備されました。今は多くの海水浴客はこの海水浴場を利用する人が多くなり、長浜あたりはさらに人気がなくなっています。おかげで自然豊かな海岸に戻りつつあります。


 
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