金比羅大権現の灯籠

 名取の港のすぐ上の丘に、約3mの青石でできた背の高い灯籠が立っています。これは文政8年(1825)、地元の若者達が金比羅様をあがめて建立したものと言われています。支柱の石には何か文字が彫られていますが、今ではよく分かりません。
 今は跡形もないのですが、名取港のすぐ上には昔「クロチ」という集落があり、名取でも最も古い神社があったといわれっています。この灯籠もその神社の境内にあったのではないかと言う人もいます。
 これとよく似た灯籠は、瀬戸町の神崎にもみられ、灯火をともして航海の安全を祈願したと言われています。しかし今では、車道からも港からも杉の防風林で隠されているので、他から来た人の目に止まることはありません。
 港の横の浜は、クロチの浜とよばれています。ここには1月14日の夜に白い丸石を拾ってきてお墓に供えるという、三崎では他に例を見ないまなご石の風習があります。名取から歩いて港に下りる途中にこの灯籠があるので、名取の人にはこの灯籠にはなじみが深く、正月にはしめ縄の飾りも張られています。ここを通る名取の子どもは、その上に石を投げてのせていきます。うまくのると願い事がかなう..というのです。
 今では、明かりが灯ることもない灯籠ですが、昔の名取の人々の生活を支える海への気持ちを感じさせる貴重な石造物であることは確かです。

 金比羅(梵語)とは、薬師十二神将という仏法の守護神の一で、宮毘羅(くびら)大将または金毘羅童子とも言われます。そのもとは、ガンジス河にすむ鰐(わに)が神格化されて、仏教に取り入れられたもので、蛇のような姿をしていて、尾に宝玉を持っていると言われています。この神を祀るのはわが国で香川県の金刀比羅宮が有名ですが、航海の安全を守る神として船人が最も尊崇していると言われます。


釜木の子安観音

 

 

<製作中>  

 

 

 

 


 
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