佐田岬半島の発展

 三崎町は小さな町ですが、私はこの佐田岬半島の三崎町に住んでいるのをとても誇りに思っています。私達は産まれた時からこの地に住んでいるから、あまり自然のすばらしさを感じることはありません。しかし、メロディーラインを通っていると両側に宇和海と瀬戸内海が一見で見渡せます。今までずっと見てきた風景ですが、とても素晴らしい点に気が付きます。それはこのメロディーラインが開通したおかげでもあります。

 昭和六十二年、私が小学校一、二年の頃だったと思います。私の記憶ではうっすらと残っているだけですが、開通の当日、家族みんなで楽しみにしていた記憶はあります。今まで、何時間もかかっていた八幡浜へ、約四十五分で行けるし、道も二車線でまっすぐな所が多くて、とても快適な気分になります。私の両親はメロディーラインの終点近くでガソリンスタンドをやっています。通る人々がみんな「きれいですね。雄大な景色ですね。」と、声をかけてくれると両親が言っていました。

 この佐田岬半島では、今までに、いろいろな地域開発が行なわれてきました。まず、メロディーラインの開通です。この道路には八幡浜から四十キロちかくの距離でトンネルが二十くらい、橋が三十か所ぐらいあります。なんと四百億円以上もの金額がかかったそうです。すごい規模です。そのおかげで私達の地域は交通やいろいろな面で助かっていると思います。

 また、三崎町の名取の地盤沈下を防ぐために、およそ20億円もの金額をかけた大規模な工事も最近ありました。この工事の人たちは、うちのガソリンスタンドの横の土地を事務所にして、およそ2年半の間住み込んでこの工事に尽くされました。私も何度か会ったことがあります。この名取の地盤沈下防止の工事は上の山の部分を削り、海岸部分をとても強力に整備していました。その言葉通り、海辺や削った山の部分を今見てみると、とても強力に造られているし、見た感じもとてもすばらしいのです。観光客がこれを見るとまず「きれいだ」と思うでしょう。

 そして、現在、佐田岬灯台に向けての工事が進行中です。この辺にはよく休日に観光客が来ますが、灯台まではとても悪い道を通らないといけません。しかし、今では灯台付近の駐車場も整備され、とても便利になっています。

 さらに、昔は半島部は水不足で苦しみましたが、現在は南予用水が完備され、野村ダムから水がこの地まで運ばれてくるようになりました。生活水や清美タンゴールなどの農業用水にも使われるそうです。こうしてみてくると、何十年もの間にこの佐田岬も大きく変わったように思います。今までより、とてもすばらしくなったと思うのです。

 今立てられている愛媛県のプロジェクトの一つに、この佐田岬半島の「海のふれあいロードの整備」があるそうです。九州にかけて橋を架けようということも聞きました。私はこのプロジェクトに対して、とても賛成しています。たぶん、みんなもそうだと思います。こんなに九州と近い場所にあるのに、もっと便利になるようにしたいものです。また、佐田岬半島の発展にもつながるのではないかと思います。このプロジェクトが完成すると、まず、人々が多く集まってきてくれます。もちろん、そのときは佐田岬半島を通ります。そのとき、このメロディーラインの快適さ、窓から見えるすばらしい風景、そして地盤沈下防止のためのすばらしい工事跡、さらに灯台までのよい道。一度来た人はもう一度来てみたい気分になるでしょう。
 もし橋ができて、その橋を渡ればこのすばらしい自然にさらに感動してしまうでしょう。ぜひ、このプロジェクトを完成してほしいです。そうすれば、この先の佐田岬半島は過疎化に悩まされている姿ではなく、もっと違う、明るい未来が見えてくると思います。それは、この佐田岬半島の本当のすばらしさに気がつくと思うからです。そのすばらしさとは、自然です。誇りがもてます。この自然をいつまでも保ち続け、必ず佐田岬半島の発展がくることを願っています。


  出典:二名津中学校 平成6年度 生徒作品(4817),編集:KA(5202)