名取には三つの部落があって、順番に雨乞いをしました。
一つの部落がしているときには、残りの二つの部落の人は周りに座っていたそうです。
「雨をくだされ、りおんどう。」
「雨をくだされ、りおんどう。」
と、何回も何回も大きな声で、輪になってぐるぐる回っていたそうです。
天まで届くようにと大きな声でおらんでいたそうです。
山の頂上で大きな声を出していたので、それを聞いた二名津、釜木などの他の部落も雨乞いをするようになったそうです。
その強い願いがかなったのか、雨乞いをすると数日後には雨が降っていたそうです。
いくら忙しくても、子供もつれてみんなで雨乞いをしに行ったそうです。
そのならわしがいつの間にかなくなり、車が通うようになった頃には「車で水を運べばよい」と言って、若い人達がバカにしてだんだんこの風習はなくなっていったそうです。
なくなったころは、水は車ですぐ運べるので、人々はよく働いていたそうです。
話をしてくださった人・・・名取 川名ミヨ子(取材当時六十七歳)
取材・・・・・・・・・・・・・・・平成2年夏
編集責任・・・・・・・・・・・平成9年入学 MARA(5313)