昔、源平合戦に敗れた平家の軍勢は追撃され、釜木にも命からがら逃げ延びてきたそうです。平家の１人の武将が部落より約１００ｍ程離れた海岸の大きな岩石の下にもぐりました。これまでくれば源氏の平氏に見つからぬであろうとまず一服煙草に火をつけ、二服、三服とのんでいました。その煙が追撃してきた源氏の兵に見つかり、捕らえられて処刑されたそうです。それ以来、地区の人は旧盆に毎年新しいトウバを平家の武将の隠れていた岩にたてて供養していました。それが始まりで、それ以後その岩をトウバと呼ぶようになり、釜木の人達はみんな、トウバの岩、トウバの岩と今日までも親しく呼んでいます。
話をしてくださった人・・・釜木 阿部 正明（取材当時６７歳）
取材・・・・・・・・・・・・・・・平成２年度
編集責任・・・・・・・・・・・たっこ(5305)