首の折れたお地蔵様

 毎年、がらん山のお祭りが三月十七日にあります。
 昔、二名津の酒好きの石屋さんがこのお祭りから帰る途中、あやまって転びました。ひょいと見るとお地蔵様の首が折れていました。
そこでそのじいさんが
「おらは石屋じゃが、地蔵よ、いい地蔵さんをほつちゃろか。」
と言って、家まで帰りました。
 しかし、その日から熱がでて、二日三日熱が下がりませんでした。
みこさんにみてもらったら、
「平家谷の地蔵さんがよい地蔵を作ってもらえないので、それがじいさんについている。」
と言われました。
そこで、じいさんの息子さんも石屋さんだったので急いでつくって持っていきました。
そこでそのお地蔵様を祭ったら、うそのようにじいさんは元気になりました。
これは事実の話だということです。

話をしてくださった人 ・・二名津 小川正一 取材当時七十歳
取材・・・・・・・・・・・・・・・平成2年度

編集責任・・・・・・・・・・・平成9年入学 ミー(5304)