朴さんと夕食

 朴さんは、国際市場やチャガルチ市場をどんど歩いて、紹介してくれる。金城洞で黒ヤギとドンドン酒を飲んだ話をした。ドンドン酒とマッコルリの違いがわからないというと、「それらは田舎者が飲む酒だ」と吐き捨てるように言った。田舎より都会が偉いって気質があるらしい。田舎の酒だから良いのだろう..とも思ったが、しかし釜山のどの店でもどんどん酒かマッコルリは売っている。ドンドン酒はマッコルリの上澄みであると書いてあった本もあったが、そうとも思えない。実際は、「チング」にもあるようにドンドン酒はこの辺でよく飲まれる大衆酒なのだろう。  チャガルチ市場の前を通ったとき、その場で魚を買って食べられるというので、早速朴さんにお願いした。チャガルチ市場の中には、売り場だけでなく小さな座敷があって、その場で店の新鮮な魚介類をさばいて、食べさせてくれる。その雰囲気を予想していたが、朴さんが連れて行ってくれたのは、野外市場の真ん中ぐらいで、アジュマに何か言って、その売り場の奥の座敷に上がり込む事となった。 こちらの方が開放的で、なかなか良い雰囲気でもある。焼き魚もできるテーブルにまず薬味が出され、やがてヒラメといかの刺身がでた。青トウガラシにネギの入ったコチュジャン?人参、ウズラの卵、キュウリ、落花生、サンチュ、そして箸を出すのがためらわれるほどのえぐい緑色のわさびなどが並ぶ。ビールで乾杯して、朴さんとの再会を祝う。手紙はまだ届いてないようで、結局、韓国では郵便は一週間ほどかかるのであろうか。言葉の違いだの釜山の近況だのいろいろと雑談をし、また互いの研究でほしいものなども確認した。朴さんは、他に生きたいところはないかと言う。釜山の観光地は日本人には不都合なことは何もないので案内はいらない。ということで、最も疑問に思っていたところについて聞く。それはネット世界一の韓国で、大型コンピュータ専門店が見られないことだ。朴さんは心当たりのビルに連れて行ってもらうことにした。
 あまりPCには詳しくない朴さんだったが、中央路沿いのそのビルに入ると、人に聞いてパソコン専門店街に案内してくれた。案内された店は専門店というより専門店街で、PC関係何でも屋の同じような小さなショップの集合体である。さすがに大晦日なので全店は開いてないようだが、半分ほどの店には六畳ほどのブースに店長が一人座ってパソコンに向かっている。写真のように独特の雰囲気の店構えで、店頭ではCD−RやPC小物なども売っているが、CPUや各種のボードやケースが並んでいるところを見ると、既製品より、部品や店のオリジナルセットを売るところなのかもしれない。実はハングル入力できるPCやOS、ソフトに興味があったのだが、品数はあまりないようだ。朴さんは、今日は閉まっているがパソコン関係の店の集まるビルをもう一つ見つけてくれた。そうして、再会を約束して朴さんとは別れた。

  H14.12.31-5