儒達山

 6時には起きて、儒達山登山の準備をする。この山の標高はわずか228m。木浦市街と多島海海上国立公園が一望できる木浦の中心に位置する山である。7時頃、荷物は置いて空身で出発。街は暗いが、人はそろそろ動き出している。うまくいけば山頂から日の出が見られそうだ。駅前通りに出ると案内版が儒達山がへは1号線を南下するようにと指示している。その通りにしばらく歩いてくと、道は緩やかに西に曲がり、やがて三叉路となる。そこを右に曲がると道は登りとなる。しばらく歩くと儒達山登山口に飛び出す。
 そこからは尾根に沿ってかなり広い御影石の石段があり、山頂へと続いている。その石段を少し登ると李将軍の像が立つ広場となる。しばらく登ると大きな門があり、さらに道は上に上へ上へと続いている。空が明るくなり始めた。日の出は近い。山頂が近づいてくると花崗岩の岩峰群の尾根歩きとなる。岩山に登って一端ピークに出るが、向こうにさらに高い岩山がある。ここで日の出を迎える。木浦の街とその南から東に栄山江がうねり、前方の山々、おそらく月出山の尖鋒のあたりから日が昇りだした。深く沈んでいた街と星のように見えていた家々の灯りがかすんできた。
 岩峰の下をよく見ると、岩肌に不動明王と空海の像が掘ってある。弘法大師がこんな所で拝めるとは四国人として感無量である。日が差し始めて金色に輝きだした岩峰群をにぎやかなカササギが飛び回っている。そこから一端降りて再び最高峰に登り直す。山頂にはちゃんと歩道がついており、難なく登頂@できた。木浦の街はどんどん埋め立てに寄って広がっているらしく、昔の写真の案内板と比較してみるとそれがよくわかる。港の反対側と街の北には高層アパート群が建ち並び、近代都市が形成されつつある。昨日歩いた道がここからだと手に取るようにわかる。そのまま尾根歩きもできそうで、前方の北方への尾根上に東屋が見える。麓には達成寺もある。そうゆっくりもしてられないので、来た道を引き返す。先ほどは気づかなかったが、茂みからはいろいろな小鳥の声が聞こえ来る。また、近くを歩くと飛び出してくる。人里に近いこの山は、野鳥の越冬地としては最適なのだろうか。
 儒達山には、木浦出身の李蘭英の記念碑「木浦の涙」が建てられているらしいが、確認はできなかった。でも、儒達山から目の前の栄山江を抱くようにふき降ろす風が吹く港で、新妻が裾を濡らして泣く姿を想像しつつ、この演歌調のトロットを口ずさんでみる。西の多島海の島々も、やがて日の光が届いて次々と目覚めてきた。
 やがて日の光も強くなり多くの人が登ってきて、ムードもなくなってきたので下ることにする。李舜臣像を拝み、露積峰を見下ろす登山口のオフィスの横を通る。窓口には人がつめかけていて、どうも通常は700Wほどの入園料を取っているらしい。私は朝早かったので、係員がまだ来ていなくて入園料は払いようがなかっったが..。登山口の案内所がそのすぐ下にある。この山には、大学楼、達城閣などの亭もあり、周りには周遊道路があるらしい。他にも彫刻公園、蘭の公園もある木浦市民の憩いの山になっている
 上から見ると、登山口から駅の方にほぼまっすぐに道が延びている。これを下れば最短距離で駅前に出られるようである。
  H14.12.30-1