民族自然史博物館 + 自由会館

 三姓穴のすぐ近くにある民族自然資料館に歩いて言ってみる。大きな門の右側にオフィスがあって、そこで入場券を買って入口でそれをもいでもらう。門の内には様々な形の大きな溶岩の固まりがたくさん展示してある。もちろんトルハルバンや水くみ女もよく目立つところで観光客を迎えてくれる。
 館内に入るといきなり鮫やジンベイザメの模型、深海魚やイルカ、大イカの剥製がある。ゆっくり観る時間もないのでバシバシ写真を撮りながら次々と館を見て回る。途中で写真撮影禁止の表示に気づいて、デジカメからクリエに切り替える。ライトダウンしたクリエも簡易撮影と録音は何とかできたのである。でもなぜ、撮影を誰も注意しなかったのだろう。例によって建前だけなのか?
 まずは済州の自然を知る部屋をいくつか回る。特にこの日は両生類と爬虫類の展示が多いようで、それらは日本のものとよく似ているようだ。さらに進むと、次に自然と昔の済州人がどのように関わって生活していたかを表す実物大の模型が並ぶ。狩猟、農業、海女等の生活が、昔の道具と共に展示してある。魚類や鳥類など自然の様子は、映像メディアで観察もできる。日本雉を駆逐しているという高麗雉もいる。渋染め用の渋柿をつぶしている様子などなかなか生々しい。
 さらに進むと、祭礼とか食事の内容など昔の済州の生活が分かる展示が並ぶ。冠婚葬祭の様子や韓国将棋などもある。ちょうど観光客の一群と案内人がいたので、案内の内容を一部録音してみた。いずれ韓国語がよく分かるようになったときに、理解できることだろう。火山の展示室には、大きな済州島の模型があり、溶岩のサンプルや地質図からこの島の成り立ちを説明しているようだ。もちろん亀岩や溶岩柱の説明もある。
 中庭には、無数の石臼や定柱石が展示?してあり、大きな石臼(ヨンジャマ)のための小屋もある。それらを見ながら、外に出る。まだ少し時間があるので、博物館をでると、隣にある自由会館に寄ってみることにした。自由会館というくらいだから、反共虐殺の歴史に関する施設かもしれない。建物の外には、ジェット戦闘機:セイバー?や装甲車、赤星入りの砲車も陳列されていて、それが戦後のものだからさらに期待は高まる。ちょっと敷居は高そうだけど中に入ってみる。
 中には、誰もいないが自由に観覧できそうな雰囲気なので奥に進む。最も奥には、従者を従えた金日成らしき実物大の座像がある。そのほか、北朝鮮関連の写真やパネルの他、製品がささいな物までずらりと展示されていて、夏にいった統一展望台の中とよく似ている。他に人はいないようで、ちょっと怖いが写真も撮った。でも、せっかく済州の4・3事件関連の施設かと期待したのだが残念である。韓国は日韓史に関しては、価値観の相違を超越して厳格なのにもかかわらず、国内事件に対して積極的な理解と処理の姿勢が、現地においても感じられないのは不思議である。日本ならこれだけ時間がたったら、住民が客観的に評価した史実を伝える努力をしているはずだ。独自の文化と歴史を持つ済州が本土?から同民族化され、未だに差別が解消できないのは、そういう国民性によるものなのかもしれない。
 自由会館の向こうには公園があるはずだが、めぼしい物はなさそうなので、港に戻ることにする。

  H14.12.29-4