漢拏山下山2

 落葉樹の林の中の下山路は、明るく風通しもいいし、落ち葉と雪の踏みごたえもよい快適な山行である。にもかかわらず韓国の登山者は、この自然にはあまり興味がないらしく、ひたすら早足で下っていく。途中に宿り木のたくさん着いた樹木があって、昔、その実を採ってガムにしていたことを思い出して写真に撮っていると、他の登山者も何事かと立ち止まってその方を不思議そうに見ていた。
 午後3時20分、サラ避難小屋を通過し、しばらく歩くと下山路の中間地点に着く。こん辺では、先ほど避難所にいた人たちの多くにもどんどん追い越されていった。幅の登山路に足場の悪いところは皆無で、全コース、ロープが張ってある。迷うこともないので、暗くなってもいいからゆったりと下山しようと思ってのどかに歩いていた。ちょっとバスの時間などは心配ではあったが、早く西帰浦に着いても、今日は特にすることもないので、この自然を楽しむことを優先しようというのである。バスがなくても朝でさえ大丈夫だったのだからタクシーを呼べばよい..と安気に考えていた。
 しかしそれは許されないことだった。上にいた登山客がすべて?下って、最後の団体だと思われるグループの最後には、国立公園の職員らしき無線機を持ったがっちりした男がついている。私が最後になると、足をゆるめていたが、あまりに遅いので先に行ってしまった。しばらく行くと最後の集団と共に私が来るのを休憩して待っている。それが二回も続くと、さすがに私も申し訳なく思って足を早めるしかない。ただひたすらすたすたと下山するが、それでも最後の集団は子供もいるのにもっと早い。
 ということで、ちょうど午後5時、いろいろな掲示がにぎやかな登山口に到着した。NPOなのだろうか、楽山楽水会の石碑なんかもある。
 済州の登山口の大駐車場はとても広く、レストハウス以外のも大きな便所や管理事務所がある。溶岩ブロックでおおわれたトイレも広く、奥にはスチーム暖房機らしいものもあり、漢拏山の自然を撮った写真の額が並んでいる。天井には気象通信用?のアンテナも立っているが、なんと言っても、入り口の中韓英の表示板にあるマスコットキャラ(漢拏山をかぶった猿か?)が良い。その前には日本と全く同じ電子水準点(GPS)がある。
 レストハウスで荷物の整理をして国道まで出てみた。しかしそこにはバス停らしきものはない。しばらく道路沿いで、うっすらと見えてきた漢拏山の山陰を撮したりしていた。そこにはバスを待っているような人たちはいるのだが、並んでいるわけでもなく心配になった。バスの時間も分からないので、駐車場をはさんで反対側にある管理事務所に行って、バスの時間を聞く。日本語は通じないようなので、英語と時間は韓国語で会話をした。どうももうすぐにバスがくるらしいので、急いで再び国道に出た。2分もするとバスが来てそれに乗り込んだ。どうもみんな料金を入れていないところを見ると後払いらしい。バスの座席はほとんど空いていなかったが、何とか座ることができた。バスは一気に国道を南下し、西帰浦に向かう。

  H14.12.27-6